【実録】テレアポ営業からインバウンド営業に移行するまでに通った3つのフェーズ

2012/08/04

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ガイアックスは1999年の創業以来、企業向けにソーシャルメディアやWEBサイトの構築・運営・監視を行なうBtoB企業です。

最近はたくさんのお客様からお声かけいただけるようになりましたが、実は数年前まではこちらからアプローチするアウトバウンド型営業が非常に得意な会社でした。

今回はガイアックスがどのようにしてアウトバウンド型からインバウンド型の営業・マーケティングにシフトしたのか。その変遷をご紹介したいと思います。

変遷サマリー

2006年当時はほぼ0件だったお問い合わせが、現在は毎月150件ほど来るようになりました。 また、お問い合わせ以外のメルマガ登録や資料DLも含めると リード獲得数は月350件を超えるまでになっています。

以下、3つのフェーズに分けてフェーズごとに行った施策やポイントをご紹介します。

第1フェーズ(~2006年)

新規開拓の95%以上がテレアポやDMのアウトバウンド経由で、インバウンドはほぼ0件。売上の波も大きく、営業も苦戦を強いられていました。

当時、主力だったオンラインゲーム事業の行き詰まりもあり、大規模な構築案件中心のイニシャル型ビジネスからランニング型ビジネスへ移行したのですが、移行にあたってアウトバウンド型営業の新規顧客獲得コストが大きな課題になっていました。

そこで、従来の手法ではなく、WEBサイトからお問い合わせをもらって営業していく手法に移行することを全社的に決断しました。しかし、過去に社内での成功事例がなく、道のりは決して平坦ではありませんでした。

第2フェーズ(2006~2009年)

経営陣・各事業の営業担当・企画メンバーで構成される社内横断のWEBサイト改善チーム(以下、ソリューションチーム)が発足。隔週でMTGを設け、お問い合わせ獲得状況とサイト改善案を持ち寄りました。

当時は今のようにWEB改善ノウハウのストックがなかったため、アクセス数・コンバージョン率を上げる方法を仮説として出し合い、運営する複数の自社サイトで実験しながら効果の出る施策を見極めていきました。(ただ、当時の議事録を見返すと、SEOやリスティング広告などのSEMのチューニング。ボタンの色を変えたり、お問い合わせフォームまでの導線を目立たせるようなユーザビリティ向上施策が中心で動画やブログ・メルマガ活用の話は正直、ほとんど出ていませんでした。)

2006年当時のソリューションサイト

ソリューションチームがかなりの時間を投下し、粘り強く改善を続けた結果、お問い合わせ数は右肩上がりに増えてきました。1年後の効果測定では、

  • インバウンド経由の商談はアウトバウンド経由に比べて3倍の成約率があること
  • インバウンド経由でも数千万円規模の案件が獲得できていること

もわかりました。

すると、それまでソリューションサイトチームに入っていなかったメンバーからもサイト改善案が出てきたり、プレスリリース配信の要望が出てくるようになり、徐々に全社の意識がお問い合わせ獲得に向き始めました。
そうした成果が認められて、ソリューションチームが2007年4QのMVPを獲得したりと、順調にインバウンド型の営業・マーケティングへの移行が進んでいきます。

しかし、SEM・ユーザビリティの改善のほとんどを終えた発足してから約2年後。様々なキーワードで上位表示され、コンバージョン率も非常に高く、プレスリリースの配信頻度も以前の数倍になっていたにも関わらず、お問い合わせ数が半年以上伸び悩んだ時期がありました。

既存サイトをベースにした改善活動が行き詰まり、小さく数字を伸ばす施策しか打てなくなっていました。当時、お問い合わせ数は平均30件ほどで、インバウンドで売上を立てていくにはまだまだ足りない。なんとか壁を突破したい。

しばらく悩み、議論を重ねて出した仮説は

「サービスを導入したい!と思っている人たちにしかアプローチできていないのでは」

というものでした。

「社内SNS」、「SNS構築」、「投稿監視」などのキーワードで検索し、サイトに訪れ、お問い合わせまで至るのは半年・1年以内にサービス導入を検討している、既にニーズの顕在化した人たち。今までのようにSEO・リスティングに頼った集客と、サービス説明を充実させていくサイト改善だけでは限界があることに気づきました。

そこで、ニーズが具体化する前の情報収集・課題形成段階からガイアックスのことを知ってもらい、継続的にコンタクトを取り続けることで「欲しい!と思った時に『まずはガイアックスに・・・』と思ってもらえる関係」を目指すことにしました。ここから加速度的にインバウンド型の営業・マーケティングにシフトしていきます。

第3フェーズ(2009年~)

CMSを導入し、サービスごとにサイト構築

それまでは、ソリューションサイトと呼んでいる全てのサービスを紹介するサイトの中でそれぞれのサービスを紹介していました。しかし、事例集やTipsコラム・動画などのコンテンツを頻繁に追加していくことを考えると、一つのサイトの中だけで展開するには無理があると判断し、サービスごとにサイトを立ち上げました。

CMSを導入して営業でも更新できるようにしたことに加え、数年かけて醸成されたインバウンド獲得に対する社内の意識があったため、それぞれのサイトのコンテンツは自発的にどんどん増えていきました。

お問い合わせ以外のリード獲得も実施

フェーズ2で気づいた仮説に基づけば、サイトに訪れるのは今すぐ営業の話を聞きたい人ばかりではありません。

  • 興味のある分野なので、最新情報を知りたい
  • 情報収集レベルなので、資料だけ送ってほしい

など、直近での導入検討ではない人たちも訪れます。

そこで検討度が高い人向けの窓口だけでなく、資料ダウンロードやメルマガ登録など様々な検討度合いに応じた窓口を設けるようにしました。これだけでリード獲得が3倍以上になったサイトもあり、リード「獲得」にも大きく寄与しただけでなく、一気にリード数が増えた影響で社内のリード「育成」への意識を高めてくれた施策でもありました。

躍進の原動力となったブログの開設

ソーシャルメディアに関心のある情報感度の高いユーザに認知してもらうことを目的に、ソーシャルメディアに関する研究機関であるガイアックスソーシャルメディア・ラボを2010年8月に立ち上げました。週1回の更新ペースで最新ノウハウ記事を公開することで、 非常に多くの方に見ていただけているだけでなく、ソーシャルメディア関連サービスのお問い合わせのほとんどがブログでの認知をきっかけとしているまでに成長しています。

しかし、社内で一番の成功事例であるソーシャルメディア・ラボも、最初はコストを抑えるためにライブドアブログを使っていたり、編集長の井出が夜や土日の時間を使って更新していました。

ブログ経由の相談が増え、書籍執筆や講演依頼をいただくようになってからWordPressでブログを構築したり、井出の業務を社外情報発信や見込み客育成にシフトさせることができましたが、社内に成功事例がなかったため、実績を出しながら徐々に投下リソースを増やしていきました。

その他にも複数のブログを開設していますが、最近では社内のメンバーだけでなく、外部のエキスパートの方と一緒に運営しているブログもでてきています。 内定者SNS「エアリーフレッシャーズ」が運営するブログで、人事担当者様に向けて採用や内定者フォロー、新人育成などをテーマにコラムを掲載しています。社内だけでは補えない部分を社外の方にご協力いただきながら、質の高い情報発信を心がけています。

Twitter・Facebookの活用

せっかく時間をかけて事例ページやコラムを作成しても、ただサイトを更新するだけではなかなか見てもらえません。 SEOを施すことはもちろん、拡がっていきやすいように設計し、Facebook・Twitterのようにみんながいるところにコンテンツを出していくようにしました。Facebook・Twitterの普及に伴って、コンテンツは以前よりも拡がりやすくなっていて、本ブログも流入の5割以上がソーシャルメディア経由で占めています。

新たな集客経路として、また、一度フォローしてもらったユーザとの継続的なコミュニケーションのツールとして、日々重要度が高まっています。

メールマガジンでも最新情報を配信

WEBサイトやブログに訪れるのは今すぐサービスを導入したい人ばかりではありません。また、ブログやソーシャルメディアで定期的に情報収集をしていない人もたくさんいます。
上記のような人たちと関係を構築するには定期的なメール配信が有効でした。一気にリード数が増えたことを皮切りに、本格的なCRMシステムを導入して、メールマガジンの発行を始めました。

メールマガジンでは、潜在ニーズの人を見込み顧客に、つながりが薄い人とのつながりを濃くするためにブログの更新情報やセミナー情報・最新資料を配信。また、どの資料をダウンロードしたのか・どのURLをクリックしたのかをユーザごとに計測することで見込度合いを把握し、次のコミュニケーション施策を組み立てています。

ここまで書いての補足

2006年に売上の95%以上を占めていたアウトバウンドの割合はすっかり逆転し、現在では95%以上をインバウンドが占めています。

とはいえ、学校や教育委員会向けに学校裏サイトの検索・監視を提供する事業では講演や先生間の口コミによる紹介が中心ですが、(購買プロセスにWEBが入っていないケースも少なくないため)テレアポ・DMなどのアウトバウンド型営業手法も併用しています。また、メールでのニュース配信だけでなく、先生同士の情報交換会を開催することでも関係構築を心がけています。

WEBでの成功事例が多いのですが、「届けたい相手に一番届きやすい方法はなにか」を考えることをはじめの一歩にしています。

サービスに込めた想い

私自身、インターン生として2008年に入社し、テレアポでお客様を見つけていた時代と、WEBを活用してお客様に見つけてもらえている時代の両方を経験しました。
振り返ると自分の未熟さもあり、アウトバウンドでお客様を見つけていた時代は少々強引にアポイントを頂戴してしまい、お互いに利の少ない時間を作ってしまったことも少なくありません。それに対して、お客様の方からお声かけをいただいている現在の方が、お互いに有益な時間を作れることが圧倒的に多くなりました。

そのような体験もあり「他のBtoB企業様にも我々と同じようにインバウンド型の営業・マーケティングに移行してもらいたい」という強い想いでサービスを提供しています。 自分たちの経験から一朝一夕で移行できるものではないとは承知の上で、サービス提供やブログ等での情報発信を通して一人でも多くの方のお力になれればと思っています。

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編集長
中村 竜次郎
制作会社などで広告制作にプランナー、コピーライター、ディレクターとして携わる。2011年に(株)ガイアックスのインバウンドマーケティング事業に参画。2016年よりビジネスマーケティング事業部 部長。
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創刊者
栗原 康太
東京大学社会心理学専修課程卒業後、(株)ガイアックスに入社。在学中の大学1年時より、BtoBに特化したインバウンドマーケティング支援事業の立ち上げに参画。現在、Q-LINK(https://q-link.jp/)責任者。
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