シックス・アパートに学ぶ!楽しく続ける企業オウンドメディア運用術

2012/12/05

six_apart_logo

インバウンドマーケティング実践企業に取り組みの背景や運用のコツをインタビュー形式でお伺いしました。
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インバウンドマーケティングの実践を考えた時に多くの場合、コンテンツを作る際の運用・体制面が問題になります。

まだインバウンドマーケティングやオウンドメディアに取り組めている会社が世の中に少ない中、TIPS記事的に『こうした方が良い!』とお伝えするよりも、実際に実践している企業の、苦労話も含めた現場のリアルな声の方が皆さんに参考にしていただけるのではと思います。

今回は以前、『BtoBサイトを運営する上で参考になる企業サイトとお手本ポイント』でもご紹介したシックス・アパート株式会社さんにお話をお伺いしました。

実は11月19日にシックス・アパートさんが開催された『目からウロコのオウンドメディア運営術 ~2012年のうちに知っておきたい、コツとノウハウ~』セミナーに参加していて、Six Apart ブログ編集長の高橋さんがインバウンドマーケティング的な取り組みをお話していたので、その場でインタビューをお願いし、その場で快諾をいただきました!

日本トップクラスにオウンドメディアが充実しているシックス・アパートさんですが、実践者ならではの運用ノウハウが非常に勉強になりました。

BtoBのWeb・マーケティング担当の方に参考になる情報が満載だと思いますので、ぜひ最後までご一読ください!

お話を伺った方

シックス・アパート株式会社 マーケティング・広報 マネージャー 高橋 真弓さん

高橋さんがセミナーの内容を書かれた記事『人に読まれて育てる企業オウンドメディアのはじめ方~Six Apart ブログ運営7ヶ月を振り返って~』は具体的なTIPSが満載で必見です。

1. Six Apart ブログを始めたきっかけ

 – シックス・アパートさんはWebサイトが非常に充実していて、ブログやメールマガジン、ソーシャルメディアも複数運営されています。そんな中、新たにSix Apart ブログを始めたのはどういったきっかけだったのでしょうか?

シックス・アパートはブログの会社なので、2003年の創業から広報ブログや製品ブログなど10個くらいでしょうか、ずっと運営してきていたのですが、それらをまとめて情報発信したり、熱い企業ブログをやってないよね、と思ったんです。

いわゆる広報ブログ以上、ザ・オウンドメディアよりもゆるい、より自由なプラットフォームで情報発信をしようと思ったのがきっかけです。

あと、社内に個人ブロガーとして活躍している人が多かったので、その資産を活用しないのはもったいないなということもありました。

ずっとやってきた製品ブログは人に見つけてもらうためではなく、あくまでシックス・アパートに興味がある人を対象に書いていました。Six Apart ブログはそこから少し突き出した感じのブログなのですが、当初はリード獲得とかインバウンドマーケティングをやろうという目的で始めたわけではなく、結果として思いのほか成果がでた、という感じです。

なので、マーケティング的に狙ったのではなく、Six Apart ブログは本当に私の脳内の思いつきがきっかけです(笑)

Six Apart ブログ

2. Six Apart ブログの運用体制と効果

 – 質の高い記事を頻度高く更新されていますが、どのような体制で運用されているのでしょうか?

記事を書いているのは15、6人です。そのうちMovable TypeZenbackLekumoなどの製品担当が10人ぐらいで、意図的にプロダクト系の人をたくさん巻き込みました。

プロダクト系の人は今まであまり情報発信する機会がなかったんです。でも実は書かせてみると、いろんなネタを持っていることが分かりました。製品ブログよりも、もう少し自分の書きたいこと、主観が入るようなものをSix Apart ブログに書いてもらっています。

プロダクト系の人の書いた記事は爆発的なヒットにはなっていないのですが、製品開発からの想いとか、ウェブを作る上で大事なこととか地味に良い記事が多くて、もともとはそういったことを発信したいと思って始めたブログだったので、自由に書いてもらっているといいつつ、自然と反映されていってますね。

 – あまりマーケティング色なく運用されている印象ですが、どのような効果があったのでしょうか?

記事を編集・公開するのは私ともう一人のマーケティング担当ですが、公開前に広報・マーケティング視点で記事を編集したりします。 効果という面では、セミナーでもお伝えしたのですが、いわゆる「コンバージョン」も結構あります。

Six Apart ブログ 半年間の成果

また、「シックス・アパートってこんなことをやっていたんだ!」とか「しばらく見ていなかったけど、興味を持った」という声もいただきました。改めてシックス・アパートを認知してもらう、というブランディングの効果は目に見えてあると思います。

3. オウンドメディアを上手に運用するためのポイント

 – 15,16人での運用しているとお伺いしましたが、どのように記事を書いてもらっているのでしょうか?

はじめは当番制でやっていたのですが、それだとやっぱりうまくいかないんですよね。

「毎週◯曜日に出してください」と回していくと、書く気が起きなくて記事があがってこないんです。なので、今は当番制はやめてしまいました。プレッシャーにもなりますしね。会議で「こういうのどう?」と聞いて「書きたい」と言った人に押し付ける(笑)

期限は基本的に設けてないので、常に記事をストックするような工夫はしています。

あと、社長が社長賞を自発的にやってくれて、賞品がiPad miniだったりもするのでモチベーションが上がりますね。

四半期ごとに送られる社長賞の授賞シーン

 – かなり自由な運用をされている中でも継続的に良い記事を出し続けられるポイントやコツのようなものはあるのでしょうか?

自分以外の人に書いてもらうのであれば、楽しくすることですね。社内でもFacebookグループでコミュニティを作って活発に更新し合っています。編集会議でも、基本記事とは関係ない、ずっと緩い話をしてます。

誰がどの記事を書くかを決めることができれば、それ以外は何でもありという感じです。雑談からネタが出てきたりしますしね。会議が楽しかったから来月の会議も欠席しないで出よう、と思ってもらえます。

実は、最初は議題を作って、数字の報告もして、きっちりと進行しようとしていたんです。でも途中で、「これは人が来なくなる!」と気づきました(笑)

それに気づいたのは3、4ヶ月目ぐらいですね。はじめの方でヒット記事が出たこともあって、こうしたらもっとヒットするんじゃないかとか、数字を意識した話が多くなってしまい、それで少し会議の雰囲気が冷たくなってしまったことがありました。もちろんヒット記事は出していきたいけど、それが目的ではないことを再確認しました。

継続することが一番大切なので、書き手のモチベーションをいかにキープするかですね。今のところうまくいっていますが、これを2年、3年やるとなるときちんと管理しないとなぁと思います。

4. これからの企業オウンドメディアとSix Apart ブログの展望

 – シックス・アパートさんでは社内のほぼ全ての人がブロガーだとお伺いしました。実はガイアックスでも社内にかなりのブロガーがいるのですが、相当レアなケースだと思います。一般的な企業でもブログの活用やオウンドメディア化の流れは進むのでしょうか?

ブログを通じての自由な情報発信というとウェブ系の企業が中心のイメージがあるじゃないですか。でも、今後はウェブ系の企業以外にもその流れが広がっていくと思います。

大企業でもブログやソーシャルメディアを当たり前のように社員が運営するようになりました。企業内の個人が情報発信をしていく重要性に気づいて、それを避けられない流れになっていますが、やはりソーシャルメディアの登場がひとつのきっかけになったと思います。

例えば、シックス・アパートはブログをずっとやっていますが、ソーシャルメディアが広まる前はだれがどの記事を見て、どんな感想を持っているのかが分かりにくかった。「コメントトラックバック」機能がありましたが、積極的に使う人は先進的な人たちだけでした。それが、ソーシャルメディアが広まった今は、先進的でない人も気軽にいいね!などを押してくれるようになっています。

可視化されたと言えるのかもしれませんが、ソーシャルメディアの普及で、情報発信に対して企業が積極的になった流れはあると思います。 ブログを書く人が「扱いにくい人」から、「社内で重宝される人」になるといいなと思います。

 – 最後に、Six Apart ブログはかなり順調なスタートを切ったと思うのですが、今後の展望を教えてください。

まずは続けることですね。1年後に続いていないのが1番最悪なことだと思うので。続けていれば数字も伴うだろうと。

とにかく続けること。続けて行く先で「企業ブログ、オウンドメディアといえば、シックス・アパートが代表的だよね」と思ってもらえたら嬉しいです。そして、他の企業からこうなりたい、真似したいと思ってもらうなかで、企業ブログ、オウンドメディアを始める際には弊社の製品を選んでくれたらいいなと思います。

 

インタビューを通して、高橋さんが『続けること』を繰り返し強調されていたのが非常に印象的でした。BtoB企業でブログを運営する場合、どうしても開始のハードルに目が行きがちですが、実は継続のハードルが1番の問題になります。ブログやコンテンツ作成を始める前から「続けること」さらには「引き継ぐこと」を考えることが理想的というか必要なのですが、今回のインタビューで高橋さんから続けることの大切さをお伺いできたのがとても良かったです。
以上、「シックス・アパートに学ぶ!楽しく続ける企業オウンドメディア運用術」でした!

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編集長
中村 竜次郎
制作会社などで広告制作にプランナー、コピーライター、ディレクターとして携わる。2011年に(株)ガイアックスのインバウンドマーケティング事業に参画。2016年よりビジネスマーケティング事業部 部長。
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創刊者
栗原 康太
東京大学社会心理学専修課程卒業後、(株)ガイアックスに入社。在学中の大学1年時より、BtoBに特化したインバウンドマーケティング支援事業の立ち上げに参画。現在、Q-LINK(https://q-link.jp/)責任者。
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