営業とマーケティングはデータでつなぐ! BtoBマーケティング成功を支える組織体制のポイント

2013/10/24

shanon

BtoB企業のマーケティング活動を統合管理するクラウドアプリケーション「マーケティングプラットフォーム 」。

以前、合同で勉強会を開催させていただいた(※BtoBマーケティング勉強会レポート①~ブログを成功させるコツ )ご縁で株式会社シャノン マーケティング企画本部の長崎敏樹本部長、同マーコム担当グループの大上宝恵マネージャーにBtoBマーケティング成功のためのポイントや社内の取り組みをお伺いしました。

売上につなげるマーケティングへ

マーケティング企画本部 マーコム担当グループ マネージャー 大上宝恵さん

 – ここ数年の「BtoBマーケティング」について、シャノンさんではどのような変化を感じていますか?

 – 大上さん:シャノン入社前、外資系企業に勤めていたのですが、BtoBマーケティングにおける“変化”を感じたのは5年前のリーマンショック前後でした。

予算があれば何をやっても許されたような時代だったのが、ガラリと変わってしまって…。リーマンショック後、「ROI(投資対効果)を出してくれ」と上からしきりに言われるようになりました。当時はそんなことを言われても、リストもきちんとデータ化されてないし、データの名寄せも不十分だし、「ホットリード(購入意欲の高い見込み顧客)は?」と問われても、何を基準にピックアップすればいいのか決まっていなくて…。正直、すべてにおいて為す術がなかった記憶があります。

この業界では米国からだいたい数年遅れて潮流が入ってくるような感じですが、ここ2〜3年くらいの間に日本でも「ROIを出せ」という声が強く聞こえるようになってきました。成約ベースでROIを測定しながら、見込み顧客を獲得・育成し、売上につなげるマーケティングにシフトし始めてきたと思います。

 – 長崎さん:シャノンが毎年実施している「イベント開催や展示会出展に関するアンケート調査 」の2013年9月の最新結果では、イベント開催や展示会出展の目的を「見込み客の獲得」や「商談の獲得」よりも「企業や製品・サービスの認知度向上」としている企業がまだまだ多い、という結果が出ました。

しかし、「認知度」を実際に計測するのは難しく、ROIが厳しく求められる中で予算の確保につながらないと嘆く企業も目立ちます。「商談数」や「成約数」といった計測可能な目的に重点を置くようシフトし、ROI向上のために的確な予算配分をすることが今後より強く求められるでしょう。

マーケティング企画本部 本部長 長崎敏樹さん

営業とマーケティングが連携し、施策のROIを高める

 – では、どうしたらマーケティングのROIが出せるのでしょうか?

 – 長崎さん:まず、データを一元管理することが欠かせません。セミナーはこっちのファイル、展示会はあっちのファイル、問い合わせは2つの窓口……などというように、データがばらばらで統一されていなければROIは出せません。一元管理できる仕組みを整えた上でデータを蓄積しながら、見込み顧客の行動を分析し、施策を最適化していく。成果を出すための近道って、なかなかないんですよね。地道にやっていくことが大切だと思います。

 – 大上さん:データを蓄積するためにもマーケティング部門が施策を打っていく必要がありますが、「施策を最適化する」という観点では営業部門との連携が一番のポイントです。

特に、成約した商談に関して営業にヒアリングしたり、行動履歴を分析することをおすすめします。

例えば、成約事例をピックアップし、そのクライアントに対して、「営業中に何を話していたのか?」などを営業にヒアリングしたり、「どのような資料やWEBページを閲覧していたのか」などを蓄積した履歴データから分析する中で、“勝ちパターン”が見つかってきます。

データの連携が営業とマーケティングの連携をもたらす

 – 営業とマーケティングの連携はどの企業も苦労するところだと思いますが、シャノンさんではどのような工夫をされているのでしょうか。

 – 長崎さん:工夫は常に行っていますが、マーケティングと営業の連携がより一層密になるよう、今年6月に組織体制を変更しました。

体制面に加えて、営業とマーケティングはデータでつなぐことが大切です。シャノンでは、マーケティングプラットフォームとセールスフォースを連携させているので、マーケティング側で獲得したリードやリードの行動履歴はセールスフォースに連携されますし、リードのその後のステイタスもマーケティングプラットフォームに反映されます。

 – 大上さん:見込み顧客への投げかけがないとデータが蓄積されず、営業は活動を起こすことができません。そのため、シャノンでは展示会やセミナー、「BtoBマーケティングブログ」 の他に、リードナーチャリングサイトの位置づけで「イベント・展示会・セミナー準備 お助けガイド 」や「見込み客をグングン育成する! BtoBマーケティングお助けガイド 」を更新しています。

記事について営業から質問が挙がってきた時はそれに回答したり、製品の使い方についてクライアント先に同行するなど、マーケティング部門の活動を目に見えるようにすることを意識しています。

お陰様でリードに対するフォロー漏れはないですし、「リードは足りています。」という言葉を営業部門からもらっています。

少しずつでも施策を前に進めていく

 – これからBtoBマーケティングを実践しようとする企業は、どこから手をつけるのが効果的でしょうか?

 – 大上さん:個人的な経験としてWebが一番難しかった、というのもありますが、展示会やセミナーなどのリードと比較して、Web経由のリードが最もROIが高いので、Webサイトの課題はあまり先送りせず、早めに変えることを心がけた方が良いと思います。

一方で、最初からWebだけで見込み顧客を獲得するのは至難の業で、他の施策と併用する「バランス」も大切です。会社・組織のメンバーを見渡してみて、話の上手な営業担当がいれば、その人にセミナーを任せてみる。または、企画が得意な社員がいれば、その人にイベント出展を任せてみる……といった具合に、その時にできることを少しずつでもやっていくことです。1つやるといろいろと見えてくることがあるので、それが他の施策で活きてくると思います。

 – 共通する “コツ”が掴めるといろいろな施策が加速しそうですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。

・BtoBマーケティングでは、ROIの明確化が今後さらに問われる
・ROI算出のためには、データの一元管理が必要
・営業とマーケティングをデータでつなぐ
・マーケティング部門としては営業が動きやすいように施策を打っていく
・ROIの高いWebから取り組むと良いが、バランスを意識して、その時にできる施策をやっていく

など、BtoBマーケティングを実践する上で「基本ではあるが、なかなかできていない」大切なポイントをお聞きすることができました。長崎さん、大上さん、ありがとうございました!

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編集長
中村 竜次郎
制作会社などで広告制作にプランナー、コピーライター、ディレクターとして携わる。2011年に(株)ガイアックスのインバウンドマーケティング事業に参画。2016年よりビジネスマーケティング事業部 部長。
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創刊者
栗原 康太
東京大学社会心理学専修課程卒業後、(株)ガイアックスに入社。在学中の大学1年時より、BtoBに特化したインバウンドマーケティング支援事業の立ち上げに参画。現在、Q-LINK(https://q-link.jp/)責任者。
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